マイオカインの構造に迫る
マイオカインが若返りホルモンと呼ばれる構造的な仕組みを調べていきたいと思います。マイオカインは最大で100種類~300種類あるとも言われています。今後恐らく数は増えていくかもしれません。その中から構造的なことがわかっているものをいくつかピックアップします。
SPARC
Secreted Protein Acidic and Rich in Cysteineの頭文字を取ったものです。SPARCが持つのは大腸がんの抑制。
マウスに運動をさせると骨格筋からSPARCが産生されます。このSPARCが大腸がん細胞をアポトーシス、つまり細胞自らが自殺してしまうように導くのです。
行われた実験としては、下記のようなものです。
・SPARC欠損マウスと野生のマウスを比べました。このマウスに6週間トレッドミル(人間で言うところルームランナー)で低強度の運動をさせます。
・そうしたところ野生のマウスではAberrant crypt foci(ACF)形成と呼ばれる大腸がんを示す細胞の有意な抑制がみAberrant crypt foci(ACF)形成の有意な抑制がみられましたのです。
SPARCが骨格筋から産出されることは人間でも確認されています。
IL-6
IL-6は最初に発見されたマイオカインとしても知られています。IL-6は下記のような働きがあると考えられています。
・脂肪組織および肝臓に働きかけて、脂肪の燃焼を促進する
・筋肉細胞内にある脂肪の利用を促進する
・抗炎症作用
どうもダイエットの匂いがしますね(笑)
アディポネクチン
アディポネクチンも早期に発見されたマイオカインのひとつです。アディポネクチンの働きとしては、
・抗動脈硬化作用
・虚血性心疾患の危険抑制
が挙げられています。
マクロファージと呼ばれる白血球の一種があります。体内に生じたり侵入してきた最近などの異物を掃除する役割を持つのですが、炎症の原因となることも知られています。アディポネクチンはこのマクロファージに直接働きかけていると考えられています。
今後マイオカインの構造についてはどんどん解明が進むものと思われます。そしてそのうち、恐らくダイエットやサプリ、アンチエイジングの世界でもマイオカイン配合!みたいなメッセージが発せられるかもしれませんね。